マクロのセキュリティレベル
エクセルではマクロが保存されているブックを開く際、マクロウィルスの感染を防ぐためにマクロの有効/無効を選択する警告メッセージを表示できます。警告メッセージの表示/非表示、内容はセキュリティレベルにより異なります。
セキュリティレベル |
内容 |
最高 |
信頼できる場所にインストールされたマクロだけを実行。それ以外のマクロは署名付きでも実行不可。 |
高 |
信頼できる発行元の署名付きマクロのみ実行可。 |
中 |
信頼できる発行元の署名付きマクロは自動的に実行可。それ以外のマクロは有効/無効を選択する警告メッセージを表示。 |
低 |
警告なくすべてのマクロが実行可。 |
※ セキュリティレベルの[最高]はExcel2003のみに用意されています。Excel2000と2002では[高]、[中]、[低]の3種類です。
初期設定では、セキュリティレベルは[高]が選択されていますが、[セキュリティ]ダイアログボックスから変更できます。[セキュリティ]ダイアログボックスを表示し、セキュリティレベルを[中]に変更しましょう。
- [ツール]メニューの[マクロ]から[セキュリティ]を選択し、[セキュリティ]ダイアログボックスを表示する。
▼図05-01 [セキュリティ]ダイアログボックスを表示
- セキュリティレベル[中]を選択する。
- [OK]ボタンをクリックする。
▼図05-02 [セキュリティ]ダイアログボックス
これで署名のないブックを開く際には、警告メッセージが表示されます。マクロを有効にしてブックを開きたい場合は、メッセージ内の[マクロを有効にする]ボタンをクリックします。
【Excel2007の場合】
Excel2007では初期設定で画面上部に警告が表示される形になりました。また、警告メッセージの表示/非表示は[Excelのオプション]ダイアログボックスから表示される[セキュリティセンター]ダイアログボックスで選択できます。
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セキュリティの警告の[オプション]ボタンをクリックし、[Microsoft Officeセキュリティオプション]ダイアログボックスを表示する。
▼図05-04 Excel2007でのセキュリティ警告
- [このコンテンツを有効にする]を選択する。
- [OK]ボタンをクリックする。
▼図05-05 [Microsoft Officeセキュリティオプション]ダイアログボックス
これで、ブック内でマクロが使用できます。続いて、[Excelのオプション]ダイアログボックスを表示し、[セキュリティセンターの設定]を確認しましょう。
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[Office]ボタンから[Excelのオプション]ボタンをクリックし、[Excelのオプション]ダイアログボックスを表示する。
▼図05-06 [Excelのオプション]ダイアログボックスを表示
- 左メニューから[セキュリティセンター]を選択する。
- [セキュリティセンターの設定]ボタンをクリックし、[セキュリティセンター]ダイアログボックスを表示する。
▼図05-07 [Excelのオプション]ダイアログボックス
- 左メニューから[マクロの設定]を選択する。
- [マクロの設定]を確認し、[キャンセル]ボタンをクリックする。
▼図05-08 [セキュリティセンター]ダイアログボックス
マクロのセキュリティレベルを下げることで警告メッセージが非表示になり、わずらわしさは軽減するかもしれませんが、PCへのウィルス感染の脅威は増大します。セキュリティレベルを変更する際には、十分注意が必要です。
マクロを使っていつもの操作を自動実行
今回は、マクロを使った操作の自動化を紹介しました。
[マクロ]ダイアログボックスでショートカットキーや説明なども設定できることにより、マクロをより活用しやすくできることや、マクロの記録を行った際、VBエディタにその操作が出力されることをご紹介しました。
“プログラムなんてわからない”と言っていた方は、マクロの記録をした際、知らず知らずにVBAでコーディングをしています。最初は、マクロの記録からどのようにVBAで操作が出力されるかを眺めて、コードに慣れていくと良いでしょう。VBAに対する不安がなくなってくると、次第にマクロの記録だけでは物足りなくなったり、もっと複雑な事を自動化したくなると思います。 その時に、参考書やモーグのQ&A掲示板をフルに活用してください。