●詳細●
サンプルでは、セルの内容をSelect Caseステートメントを使って判断しながら、セルの文字色やフォントサイズを変えるなど、いろいろな書式の設定をしています。
まず、データを入力するための列を一列挿入し、挿入された列にデータを入力します。
For Each〜Nextステートメントで、対象範囲内のセルに対してLoopしながら、内容の確認と体裁設定をします。
内容の確認は、Select Caseステートメントを使って、条件に合っているか判断しています。書式の設定は、別の内容で２度行っています。この他にも、フォント名を設定するなど、マクロの記録機能やヘルプで、確認してみてください。
＜マクロの記録機能＞
[ツール]メニュー − [マクロ] − [新しいマクロの記録]を選択し、マクロに名前を付けてください。
ステータスバーに「マクロの記録中」と表示され、記録終了ツールバーが表示されますので、作業が終わったら記録終了ボタンを押してください。
●サンプル●
Sub Sample()
Dim myRange As Range
'＜データを入力する列を追加します。＞
Columns("A:A").Insert Shift:=xlToRight
'＜データを入力します。＞
Range("A1") = "かえる"
Range("A2") = "さる"
Range("A3") = "ひと"
Range("A4") = "ひよこ"
'＜入力内容を確認しながら、体裁を指定します。＞
For Each myRange In Worksheets(1).Range("A1:A4") '←（１）
Select Case myRange '←（２）
Case Is = "ひと"
'＜文字色をＲＧＢ値で設定します。（オレンジ）＞
myRange.Font.Color = RGB(255, 127, 0) '←（３）
Case Is = "ひよこ"
'＜セルの塗りつぶしをＲＧＢ値で設定します。（黄）＞
myRange.Interior.Color = RGB(255, 255, 0)
Case Is = "かえる"
'＜パターンを設定します。（縦縞）＞
myRange.Interior.Pattern = xlPatternLightVertical '←（４）
End Select
Next myRange
MsgBox "確認１"
'＜入力内容を確認しながら、体裁を指定します。＞
For Each myRange In Worksheets(1).Range("A1:A4")
Select Case myRange
Case Is = "ひと"
'＜フォントサイズを設定します。＞
myRange.Font.Size = 20
Case Is = "ひよこ"
'＜装飾設定をします。装飾をするしないは、する（True）/しない（False） によって設定します。＞
With myRange.Font
'＜太字＞
.Bold = True
'＜斜体（イタリック）＞
.Italic = True
'＜下線＞
.Strikethrough = True
'＜取り消し線＞
.Underline = True
End With
Case Is = "かえる"
'＜上付きにします。＞
myRange.Font.Superscript = True '←（５）
Case Else
myRange = myRange & "（設定なし）"
End Select
Next myRange
'＜Ａ列の内容に合わせて列幅を調節します。＞
Columns("A:A").EntireColumn.AutoFit
MsgBox "確認２"
End Sub
●補足説明●
（１） For Each〜Nextステートメントは、オブジェクトコレクション（Ａ列のセル範囲）
の各オブジェクト（Ａ列の各セル）に対して繰り返して処理を行います。
＜構文＞
For Each element In group
（処理）
Next element
element：コレクションの各要素を繰り返す変数を指定します。
group：オブジェクトコレクションを指定します。
繰り返し処理が開始されると、引数groupの最初のオブジェクトに対して処理が実行されます。
引数groupの中にオブジェクトがある限り処理は続けられます。
処理から抜け出すには、「Exit For」を使います。
（２）Select Caseステートメントは、複数の条件を繰り返し判断する場合に、Ifステートメント
よりもシンプルに条件分岐ができます。
＜構文＞
Select Case testexpression
[Case expressionlist-n [statements-n]]...
[Case Else [elsestatements]]
End Select
testexpression：条件比較する数式または文字列式。
expressionlist-n：比較される値。
statements-n：testexpressionがexpressionlist-nのいずれかと一致するとき、実行するステートメント。
elsestatements：testexpressionがCase節のいずれとも一致しないとき、実行するステートメント。
（３）RGB（赤・緑・青）の明るさを表す数値（0〜255）で色を指定します。
（４）パターンの定数は以下のとおりです。
xlPatternAutomatic,xlPatternChecker,xlPatternCrissCross,
xlPatternDown,xlPatternGray16,xlPatternGray25,xlPatternGray50
xlPatternGray75,xlPatternGray8,xlPatternGrid,xlPatternHorizontal
xlPatternLightDown,xlPatternLightHorizontal,xlPatternLightUp
xlPatternLightVertical,xlPatternNone,xlPatternSemiGray75
xlPatternSolid,xlPatternUp,xlPatternVertical
