第5回 茎と葉を描く 2/3

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茎を描く

茎は四角で真直ぐなので描き易い。ここでは、「フリーフォーム」を利用して描いてみます。
ツールバーから「線」のなかの「フリーフォーム」を選択します。

  1. 花の真ん中より少し右側をスタート点としてクリック(マウスの現在位置は+印で表示される)
  2. 指を離したままマウスを移動すると、スタート点からマウスの現在位置(+で表示)まで直線が出来る
  3. 直線を屈折する点でクリック。4回クリックして長方形の茎ができる
  4. スタート点に終点を一致させる。
▼図05-02 「フリーフォーム」で茎を描く

「曲線」で葉を描く

チューリップの葉は直線ではなく緩やかな曲線で美しさを表現しています。その美しさを表現するためには、葉に裏と表をつくり、
表側は色が濃く裏側は薄く、色の濃淡をつけます。同じ輪郭線で表すのは難しいので1つの葉を2つの葉の部品をつくり表現します。
チューリップの葉の輪郭は滑らかな曲線を描くため、ここでは「オートシェイプ」ツールの中の「線」のメニューから、「曲線」ツールを利用します。
「曲線」は「フリーハンド」や「フリーフォーム」と異なり、クリックした後のポインタの位置で、前の線の形がクリックした点をシーソーの支点にしているかのように変わる。「曲線」を使いこなすには、この特徴に慣れることです。
何度も練習をするつもりでチャレンジしてみましょう。

はじめに左側の葉を、次に右側の葉をかいてゆきます。下の図05-02を参考にしてください。

  1. マウスの+印を茎の最下端中央に合わせてクリック、ここをスタート点にします。
  2. 次に葉の全長の7割ぐらいの位置(感覚で適当な所)でクリック()。この時点では@とAの間は直線。
  3. 葉にはひだが付いているので、大きく左に曲げて、葉の先端とする点でクリック()。マウスを左に曲げると、点を支点にして、の間は右側に膨らみ、曲線に変わる。点の位置は、葉の大きさと絵全体のバランスを左右するので、全体を良く見て位置を決めます。
  4. 折り返してクリック()。折り返し点では、で滑らかな曲線になる為に急には曲がれないので、外に膨らむ。「曲線」を使う上で慣れておく大切なポイントです。
  5. 前の線と交差させてクリック()。線を交差させるのは、裏と表を描く時のテクニックです。
  6. 間の線とほぼ並行になるように、また葉の形を見て位置を決めてクリック。(
  7. 最後の点と一致する)でクリックする時の膨らみを予測してクリック(
  8. スタート点と一致させる。
▼図05-02 「曲線」で葉を描く


つづいて、葉のもう一枚の部品を作成します。

  1. はスタート点。茎下左端にポインタを合わせています。
  2. は表側(H2)の線に近い内側にします。で出来る曲線が葉のひだの特徴を表現します。
  3. は表側(H2)線の交差点です。
  4. は表側(H2)線のチョット内側です。
  5. でクリックした時、の間の膨らむ部分が表側線と一致するようにします。
    は表側(H2)線の少し外側で膨らむ部分が表側(H2)線からはみ出さないように工夫します。
  6. はこの間の線が表側(H2)の線より内側にならないように注意します。
  7. 終点は始点と一致させます。
▼図05-03 もう1つの葉をつくる


次に反対側の葉を書きます。

左側と同じように「曲線」で描くので、手順は同じです。
表側(H3)の描き順を図05-04に、裏側(H4)の描き順を図05-05に、既に描いた線と一緒に示しました。

▼図05-04 右表(H3)を描く                            ▼図05-05 右裏(H4)を描く 

            

注意するポイント

  1. 図05-05の位置は表側(H3)の輪郭線より外側にすることです。
  2. では膨らみがありません。これは点を膨らみがなくなるところまで下げたからです。

輪郭線の修正

茎と葉の輪郭が出来ました。しかし実際に皆さんやってみるとなかなか思い通りに行かないものです。

そんな時は、「頂点の編集」で「修正」します。

花、茎、葉という順に描いて、個々にその場で輪郭線を修正して形を整えましたが、これらを組み合わせて1つの絵にする時、絵全体のバランスから、再度夫々の輪郭を見直・修正すると納得がいく絵ができます。面倒がらずに修正を試み、絵を進化させます。

花びらを描いた時一度説明しましたが、図05-06を参照して再度ポイントを整理して置きましょう。

▼図05-06 輪郭線の修正「頂点の編集」プロセス
  1. 先ず輪郭線を修正する時は、輪郭線の上で「右クリック」してメニューを表示する(
  2. 輪郭線の終点が始点と一致しなかった時、メニューから「閉じたパス(P)」をクリックする(
  3. (輪郭線が閉じていると、「開いたパス」と表示される)
  4. メニューから「頂点の編集」をクリック→輪郭線上に線を曲げる時にクリックした点「頂点」が表れる。
  5. 直したい所(「頂点」の上でも、線の上でも良い)にポインタを当てて直したい方向に「ドラッグ」する。
  6. 線上にポインタを置いてドラッグした時は、ポインタを置いた点に新しく「頂点」が出来る。
  7. 「頂点」の上で「右クリック」()すると、「頂点」に関する新しいメニューが表示される(
  8. 前回説明した様に、通常は「頂点の削除」の時に使う。頂点を移動する時はドラッグする。
  9. 「線」の上で「右クリック」()すると、主に「線分」(2頂点間の線)に関するメニューが表示される。
  10. 例えば曲線の膨らんだ部分を修正する時は「線分を伸ばす(S)」をクリックすると、膨らんだ部分は直線に変わる。
  11. ここでは細説しませんが、メニューの中に「頂点を中心にスムージングする」、「頂点を基準にする」というのが有ります。これらを使うと「フリーフォーム」の一部を曲線化したり、「曲線」の一部をフリーフォームのように折り曲げたりできます。
    これらにチェックを入れると、「頂点」の両側に、先端に□が付いた「ハンドル」が表らわれるので、ドラッグして変えます。
  12. 「フリーハンド」、「フリーフォーム」、「曲線」の3種類で輪郭線を描きました。どの線も「頂点の編集」で修正できることが分かりました。
    特に「フリーハンド」では、他の2線と異なり「頂点」の数が多いので、「頂点の削除」を上手に行い、頂点の数を減らしてから修正すると良いでしょう。
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