数式のコピーと参照方法
数式を他のデータと同じ方法で別のセルにコピーすることができます。しかし、「相対参照」と「絶対参照」の参照方法の違いをしっかり理解していないと、期待通りの数式がコピーされないので、数式のコピーには十分な注意が必要です。
数式をコピーする
下図ではセルC2に「単価×数量」の数式が入力されています。
セルC2の数式をセルC3からC5にコピーすると、コピー先にも同じく「単価×数量」の数式が入力されます。
「=A2*B2」というセルC2の数式を、セルC3からセルC5の範囲にコピーした結果を下図に示します。各セルにコピーされた数式は、適切なセルを参照するように、セル参照が自動的に変化しています。
数式のコピーは、文字列のコピーとは異なり、元のデータがそのままコピーされるわけではなく、相対的な位置関係に対応するようにセル参照が自動的に変更され、コピーされます。このようなセルの参照方式を『相対参照』といいます。
相対参照
上記のケースは、相対参照で作成された数式をコピーすることによって、期待する結果が得られたケースです。しかし、相対参照で参照されている数式をコピーして使用すると、期待した計算結果が得られないときもあります。
ここでは売上比率を算出する例を取り上げます。各支店売上の合計を基準に、それぞれの売上比率を求めます。 下図ではセルB3に「A支店の売上金額(セルB2)」を「合計の売上金額(セルE2)」で割り算する数式が入力されています。
セルB3の数式をセルC3からD3にコピーすると、0で割り算したことを警告するエラー値「#DIV/0!」が表示されてしまいます。原因は、各支店に売上金額を、合計の算出されたセルではなく、コピー元のセル参照から相対的な位置関係にある間違ったセルを参照して割り算したことにあります。
各支店とも、「A支店の売上比率(セルB3)」のように、「合計の売上金額(セルE2)」で割り算しなければならないのに、上の図を見ると、数式を右方向にコピーした結果、セル参照も1列ずつ右に自動的に変化して、意味のない空白のセルを参照して割り算しています。
このような相対参照によるセル参照の自動変更を回避するためには、『絶対参照』というセルの参照方式を用います。(次のレッスンにつづく)